第231回 診察と人相学⑥
怖そうに見えた人が拍子抜けするほど優しかったり、大人しそうに見えたらとんでもない勝気だったとかはよくあること。顔は心を表しているとは言え、中々見破れないことが多いものです。見破れない理由としては喜怒哀楽の表情に騙されてしまうからです。そこで今回は表情に騙されない秘伝を紹介します。それは喜怒哀楽が反映しない横顔を見ることです。横顔でその人が陰性なのか陽性なのかが分かります。
この方法を使えば正面からはまったく区別がつかない一卵性の双子も区別することが可能となります。
下図のように人の横顔は凸面タイプと凹面タイプに分かれます。凸とも凹とも言えない直線タイプもいますが、多くは微妙にどちらかに寄っています。そして凸面が陽性、凹面が陰性の性質を持っています。先に話した正面から見分けのつかない一卵性の双子も一人が凸面、もう一人が凹面となっています。
まず陽性である凸面タイプは水平にして水を注げば流れるように、嫌な事もすぐ忘れるためストレスが溜まりません。陽気で明るい性格です。しかし何事も流れやすく溜まらないため、新しい事にすぐ興味を示すが長続きしなかったり、行動力抜群なのに結果は尻切れトンボになりがちです。溜めない性格なので喜怒哀楽が出やすい単純な面もあります。
一方陰性である凹面タイプは水平にして水を注げば溜まりやすく流れないため、嫌な事や腹立つことも溜め込んでしまう陰気で内向的な性格です。簡単には喜怒哀楽が分かりません。ストレスが溜まりやすい性格ですが、知恵があって地味な努力も根気よく続けられるため一芸に秀でたり、特殊分野で才能を開花させたりします。
身体的には凸面タイプは元気でスタミナがあるため病気も治りやすいです。突然激しい症状が起きてケロっと治ります。鍼灸していてもこのタイプは気の巡りが速いためすぐに効果が表れます。しかし無理をしやすく、高血圧体質の人が多いため、脳や心疾患に注意する必要があります。
凹面タイプはストレスから来る消化器系や心療系の症状に悩む人が多いです。鍼灸も即効性は出にくく少し時間がかかります。しかし、不調が多い割には激しい症状や重篤な症状になることが少ない傾向があります。
世の中は凹凸つまり陰陽で成り立っています。
停滞して元気がない時代には凸面のリーダーが必要です。細かい政策は後回しで壁に穴をぶち開けて突破口を作ります。その後に凹面のリーダーが整理清掃をしていくのが理想です。陽→陰→陽→陰…といった循環が振り子となりスムーズに時を進めます。この循環を狂わせると振り子が止まり時は止まってしまいます。
第231回香肌文庫 2025.5.1